仕事をしていく上で、他の人々とコミュニケーションを取ることは必要不可欠です。しかし、現代社会は多様化とともに仕事の進め方も複雑になり、適切なコミュニケーションを取ることは容易ではありません。そのため、コミュニケーション・スキルの習得が必要なのです。

本書は、これから企業や医療機関などのビジネス現場に出ていく学生・生徒や、すでに活躍している若いビジネス・ワーカーを対象とし、大学・短期大学においてコミュニケーション・スキル教育の経験豊かな執筆陣によって書かれました。コミュニケーション・スキルの基本知識から、傾聴や共感、質問・確認などの基本スキル、報告・連絡・相談や説得などの応用スキルまで、簡潔な解説と多彩なワークで学べる構成になっています。

第1章～第3章ではコミュニケーション・スキルの基本的な考え方を、第4章～第10章ではコミュニケーション・スキルの基本から応用までを取り上げ、実践的なスキルの開発・向上を目指します。各章ごとに「プレワーク」「ワーク基礎～応用」を設けており、コミュニケーション・スキルの学習経験のない人でも、体系的かつ段階的に学習を進めていくことができます。

講義用指導書では、各章の解説や解答例に加え、「授業方法の工夫」の章を設けています。ペアワークの進め方や、メリハリのある授業づくりのポイントについて詳しく解説しています。

「コミュニケーション論」などコミュニケーション関連の科目や、キャリア教育の一環としてぜひご活用ください。

■知っておきたい基本知識
1 ．コミュニケーション・スキルを学ぶ──なぜスキルを身に付けるのか
2 ．コミュニケーションは難しい──なぜギャップが生じるのか
3 ．メタメッセージを意識する──非言語コミュニケーションとは

■身に付けたい基本スキル
4 ．話を聞くためのスキル──傾聴する、観察する、共感する
5 ．理解を深めるためのスキル──質問する、確認する
6 ．頭の中を整理するためのスキル──熟考する、関連付ける、優先順位を付ける

■仕事に役立つ応用スキル
7 ．仕事をスムーズに進めるためのスキル── 報告する、連絡する、相談する
8 ．情報を共有するためのスキル──説明する
9 ．提案し、納得に導くためのスキル──説得する、プレゼンテーション
10．クレームに対処するためのスキル──謝罪する、問題を解決する